岩崎有二による、HANAでの2回目の個展。
コミカルな動物をモチーフとした、色彩鮮やかで目を引く写真作品は、紙や粘土で製作された立体を、合成する事無く被写体とした物です。これらは立体作品を平面作品として再構築するための手法であり、絵画とも、写真とも、立体とも異なる、新たな表現方法として発表されています。
ビジュアルが楽しく美しいだけではなく、絵画的な要素を取り込んだ被写体の虚構性と、写真の持つ忠実な記録性とが混じり合い、絵画作品-いわば虚構の世界-におけるリアリティとは何か、そういった絵画における普遍的な問いをも内包させています。YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)を創出した現代美術の名門校、ゴールドスミスカレッジ出身の岩崎らしい、強度の高いコンセプトの提示がなされています。独自のリアリティと存在感は、鑑賞者に様々な錯覚や気付きを体験させます。
下北沢にお越しの際は、是非、ご高覧ください。