「異界旅行記」
小さい頃から絵を描くことが好きでした。架空の世界に架空のキャラクター達を登場させて(マンガやアニメの模倣ではあるけれど)、自分だけの"おはなし"を作って遊んでいました。
自分が描く自分だけの世界の中で自由に遊ぶ事、それは今もなお、私にとって最大の楽しみとなっています。魔法使いも妖怪も、お菓子の城も空中都市も、絵の中では"そこに在るもの"です。たとえ二次元の世界でも、私の頭の中には、"その向こう側"が"存在"します。一枚の絵には描ききれない、厚みのある物語が存在します。物語は時空を越えた言わば"異界"で繰り広げられます。物語が物語を産み出し、異界の地図は果てしなく広がって行きます。
かつて私だけのものだった"私の世界"を今は多くの方々にお披露目し、"異界"への旅に誘う事ができます。これもまた、作品を作り続ける楽しみの一つになっています。
どうぞ、ご自由に「異界旅行」をお楽しみください。
2016年9月
長野順子