2018.2 February

小林 雅子 個展「永遠の断片、そのための物語」

2018年2月16日(金) ~ 21日(水) OPEN11:00-19:00

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子供の頃から、絵を描くことと同じぐらい、本を読むことが好きでした。
本の手触りも、物語の世界に浸ることも。
お気に入りの物語の世界観を、本を直接加工することで表現しました。
この本はページをめくってストーリーを追うことは出来ません。
でも、閉じ込めてしまった一瞬は、長い物語の時間全てなのです。
その大切な一瞬が失われてしまわないように、箱に収めました。
私のお気に入りの物語が、誰かの大切な物語でもあることを願って。

                          小林 雅子


小林 雅子 HP: http://kobamasa.jp






 小林雅子がつくる作品を振り返る時、かつて彼女が身に付けたかもしれない衣服や身のまわりのモノたちが、油紙を素材に、琥珀色の皮膜となって光をまとう姿が思い起こされる。この皮膜は、記憶などが宿る意識の内側と、現実の世界とが接して互いをつなぐ境界にもなっている。既成の本をもとにした小林によるブック・オブジェの数々も、他の作品と同じく、心の内のものたちが現実の中でかたちを持つための役割を担っている。


 素材となった本に記された物語やことばが見せるさまざまな世界は、読書を通して彼女の意識の中の記憶や思いと混ざり合い、そこには新しい物語やことばが生み出される。それらを自分だけの声として現実の世界に戻し、人々と対面させる試行錯誤の中で、ページを切り刻み、それぞれの本を象徴するかたちに造形化する制作が行われてきたように思われてならない。そして、そこに現れたものは、「本」という名のもう一つの皮膜の姿でもある。

      

                               篠原 誠司(足利市立美術館学芸員)

artist profile

小林 雅子 / Masako Kobayashi

沖縄県立芸術大学 大学院修了
2017年「あなたのために用意された物語」(天王洲アイル)
「美術館の本棚」(足利市美術館/栃木)
「南総金谷藝術特区」(金谷アーチストinレジデンス/千葉)
2016年 「冬の王国」(サロン・ド・ヴァンホー/倉敷)
“Wear the Art!!” (ルミネ有楽町/東京)
2015年 「残ル身体」(E&Cギャラリー/福井県)
“DanDans - Une nouvelle génération d’artistes japonais”
(Maison de la culture du Japon à Paris・Gallery BOA /Paris)
“Xiang” (日中友好会館美術館/東京)
2014年 “Thinking of ENERGY” (German Federal Foreign Office/Berlin)
「土庄 Art Project 2014 」(戸形公民館/香川)
2013年 “Dandans, a collective of emerging Japanese artist” (Browse & Darby Ltd/London)
「ふくやまArt Walk 2013」(福山文学館/広島)
“Otaru Book Art Week 2013” (cafe NAHANA/北海道)
2011年 「会津・漆の芸術祭」参加 (喜多方市内/福島)
2010年 “Artists' Book Exhibition : Centre to Periphery” (Japan Creative Centre/Singapore)